ベファーナからの贈り物
ベファーナとはイタリアに伝わるクリスマスの古い伝承物語の中に出てくる「ホウキにまたがる魔女のおばあさん」のことです。このベファーナが毎年子ども達にお菓子を配るようになったのは、少し切ないクリスマスの物語 があるからと言われています・・・
ある日、東の国の三賢者は、西の空に今までに見たことのないような輝きを放つ星(ベツレヘムの星)を見つけました。「これは幼子イエスが誕生した証だ!」と、三賢者はその星へと旅をすることにしました。星の輝きを目印に旅を続けていましたが、途中で道に迷ってしまい、たどり着いた村の老婆ベファーナに幼子イエスを訪れるための道案内を頼みました。
ところが・・・ベファーナは村一番の働き者な上に、責任感も強く、今の仕事を途中で投げ出すことができず、三賢者のお願いを断ってしまったのです。その後、道案内を断ったことを心から悔やんだベファーナは、バスケットの中に幼い子が喜びそうなお菓子やおもちゃなどをいっぱいに詰め、ホウキにまたがり、三賢者の後を必死に追いかけました。しかしながら、ベファーナは彼らの姿を見つけることはできませんでした。そして、今も幼い子どものいる家を見つけては幼子イエスでありますようにと祈りを込めてお菓子やおもちゃをプレゼントして回っているそうです。
ベファーナは子ども達に贈り物を届けてくれますが、その贈り物はサンタと違い 黒い炭とお菓子の両方 が入っているそうです。これは、どんな子どもにも1年間を過ごす中で、必ず「 悪い子だった部分 」と「 良い子だった部分 」の両面があるということからきているそうです。
まるで、伝承物語で三賢者のお願いを断ってしまった気持ちを「 黒い炭 」、その後必死に三賢者を追いかけ幼子イエスをお祝いしようとした気持ちを「 お菓子 」で表したかのようなベファーナらしい贈り物ですね。
ベファーナからの贈り物はナターレ(クリスマス)シーズンを締めくくる、01月06日のエピファニアの祝日に届くようです。日本ではお正月が終わる頃、お正月の雰囲気も素敵ですが、年明けまでクリスマスの煌びやかな雰囲気が続くのもまた素敵ですよね。
そういえば、我が家のクリスマスツリーをまだ片付けていないのは、ベファーナ・・・?(笑)